インプラントが怖い方へ|手術・痛み・失敗への不安と治療前に知っておきたいこと
インプラントに興味はあるものの、治療について調べれば調べるほど怖くなってしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。顎の骨にインプラントを埋め込むと聞くと、どうしても大がかりな手術を想像してしまいます。
痛みはどのくらいあるのか、手術中はどのような状態なのか、失敗することはないのかなど、不安になるのは無理もありません。特に歯科治療がもともと苦手な方にとっては、治療内容を理解していても恐怖心を完全になくすことは難しい場合があります。
大切なのは、怖いからと無理に気持ちを抑えることではありません。
自分がインプラント治療の何を怖いと感じているのかを整理し、それぞれについて正しい情報を知ったうえで治療を検討することが大切です。
この記事では、インプラントが怖いと感じる主な理由と、治療を検討するときに確認しておきたいことについて解説します。
インプラントが怖いと感じるのはなぜ?
インプラントへの恐怖心は、人によって理由が異なります。
代表的なものとしては、
- 手術そのものが怖い
- 顎の骨に穴を開けることが怖い
- 麻酔の注射が怖い
- 手術中に痛くならないか心配
- 手術後の痛みや腫れが怖い
- 治療が失敗しないか心配
- インプラントが長持ちするのか不安
- 高額な費用をかけて後悔しないか心配
- 過去の歯科治療で怖い経験をした
などがあります。
「インプラントが怖い」という一言の中にも、さまざまな不安が含まれているのです。そのため、すべての不安に対して「大丈夫です」と説明するだけでは、恐怖心の解消にはつながりません。
まずは何に対して不安を感じているのか、一つずつ確認してみましょう。
「顎の骨に穴を開ける」と聞くと怖い
インプラント治療では、歯を失った部分の顎の骨にインプラント体と呼ばれる人工歯根を埋め込みます。文章だけを見ると、「骨に穴を開ける」という部分に強い恐怖を感じる方もいるでしょう。
しかし、実際の治療ではいきなり手術を行うわけではありません。
事前にお口の中や顎の骨の状態を確認し、インプラントを埋め込む位置や角度、周囲の神経や血管との位置関係などを確認したうえで治療計画を立てます。
岡崎歯医者では、シミュレーションソフトを用いて治療計画を立て、必要に応じてその計画をもとにサージカルガイドを作製しています。サージカルガイドは、事前に計画した位置や角度に沿ってインプラントを埋め込むために使用する装置です。インプラント手術への不安がある場合は、「どのような検査を行うのか」「どのように手術位置を決めるのか」についても、治療前に確認しておくとよいでしょう。
インプラント手術中の痛みが怖い
「手術中に痛くなったらどうしよう」という不安は、インプラント治療を検討している方からよく聞かれるものです。
インプラント手術では、一般的に局所麻酔を使用して処置を行います。局所麻酔は治療する部分の感覚を一時的に鈍くするための麻酔です。
ただし、麻酔の効き方や痛みの感じ方には個人差があります。
また、痛みだけではなく、
「麻酔の注射そのものが怖い」
「治療中の音が苦手」
「何をされているのか分からない状態が怖い」
という方もいます。
このような不安がある場合は、治療前の段階で歯科医師へ伝えておくことが大切です。局所麻酔の注射や手術中の感覚については、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事:短期集中治療ページ/「静脈内鎮静法を活用した短期集中治療」】
インプラント手術後の痛みや腫れが怖い
手術中よりも「麻酔が切れた後が怖い」という方も少なくありません。
インプラント手術は外科処置を伴うため、手術後に痛みや腫れが生じることがあります。
ただし、その程度や続く期間は、
- インプラントを埋め込む本数
- 手術する範囲
- 骨の状態
- 骨造成の有無
- 身体の状態
などによって異なります。
そのため、「インプラントをしたら必ず強く腫れる」「何日間も強い痛みが続く」と一概にいうことはできません。
手術後の痛みや腫れについては、どのくらい続くのかだけではなく、どのような症状が出たら歯科医院へ相談すべきなのかまで知っておくと、術後の不安を減らしやすくなります。
インプラントが失敗しないか怖い
インプラントは外科処置を伴う治療であり、リスクがまったくない治療ではありません。
例えば、
- インプラントと骨が十分に結合しない
- 細菌感染が起こる
- インプラント周囲炎になる
- 被せ物が欠ける・外れる
- インプラントにぐらつきが生じる
などのトラブルが起こる可能性があります。
だからこそ重要なのが、手術だけを見るのではなく、診査・診断から治療後のメンテナンスまで含めて考えることです。
インプラントを埋め込む位置や顎の骨の状態を事前に確認することはもちろん、歯周病がある場合には必要な治療を行い、お口の中の環境を整えてからインプラント治療を進めることも重要になります。
また、インプラント治療が終わった後も、セルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。
「失敗するのが怖い」という方は、成功率などの数字だけを見るのではなく、自分の場合にはどのようなリスクがあり、そのリスクに対してどのような対策を行うのかを歯科医師に確認してみましょう。
高い費用をかけて後悔しないか心配
インプラントは基本的に自由診療となるため、費用への不安も大きくなりやすい治療です。
「高い費用を払ったのに、自分には合わなかったらどうしよう」「入れ歯やブリッジにしておけばよかったと後悔しないだろうか」と考える方もいるでしょう。
インプラントには、顎の骨に固定されるため噛んだときの安定感を得やすいことや、ブリッジのように隣接する歯を支えとして大きく削る必要がないといった特徴があります。
一方で、外科処置が必要になることや、治療期間がかかること、治療後も定期的なメンテナンスが必要になることなど、事前に理解しておきたい点もあります。
入れ歯、ブリッジ、インプラントには、それぞれメリットと注意点があります。「インプラントが一番よい」と最初から決めるのではなく、自分のお口の状態や希望、費用などを踏まえて比較することが大切です。
インターネットで調べるほど怖くなってしまうことも
インプラントについて検索すると、
「失敗した」
「後悔した」
「痛かった」
「やらなきゃよかった」
といった情報を目にすることがあります。
実際に起こり得るリスクについて知っておくことは大切です。一方で、インターネット上の体験談だけから自分の治療結果を予測することはできません。
インプラント治療は、顎の骨の状態、残っている歯、歯周病の有無、全身状態、必要なインプラントの本数などによって治療内容が変わります。
誰かの治療経験が、そのまま自分にも当てはまるとは限らないのです。
不安になる情報を見つけた場合には、「これは自分にも当てはまるのか?」と歯科医師へ確認してみることをおすすめします。
歯医者そのものが怖い方もいます
インプラントだけではなく、歯科治療そのものに強い恐怖心を持っている方もいます。
過去に歯科治療で痛い経験をした方や、治療中の音・におい・器具などが苦手な方の場合、インプラントという言葉を聞いただけで強い緊張を感じることもあります。
これは治療内容を説明するだけでは解消しにくい不安です。「怖いと言うのが恥ずかしい」と我慢する必要はありません。歯科治療への恐怖心が強いことを事前に伝えておけば、それを踏まえて治療方法を検討できる場合があります。
インプラントが怖い方には静脈内鎮静法という選択肢もあります
局所麻酔によって治療部位の痛みに配慮できても、手術そのものへの恐怖や緊張が強く残る方もいます。
そのような場合に検討される方法の一つが静脈内鎮静法です。
静脈内鎮静法は、点滴から鎮静薬を投与し、うとうとと眠気を感じるようなリラックスした状態で治療を受ける方法です。
全身麻酔とは異なり、基本的には自分で呼吸をしながら治療を受けます。
特に、
- インプラント手術への恐怖心が強い
- 歯科治療そのものが怖い
- 治療中に緊張して身体に力が入ってしまう
- 治療時間が長くなることに不安がある
- 嘔吐反射が強く歯科治療が苦手
といった方に対して、状態や治療内容に応じて検討されることがあります。
岡崎歯医者では、インプラント治療に不安や緊張が強い方に対して、静脈内鎮静法にも対応しています。
治療中は心拍数・血圧・血中酸素飽和度などを確認しながら全身状態を管理して治療を進めます。
なお、全身状態や服用している薬などによっては静脈内鎮静法が適さない場合もあります。希望される場合は、事前に歯科医師へご相談ください。
【内部リンク:短期集中治療ページ/アンカーテキスト「静脈内鎮静法を活用した短期集中治療」】
インプラントが怖いときに治療前に確認したいこと
怖さを我慢して治療を受ける必要はありません。
むしろ、治療を決める前に不安なことを確認しておくことが重要です。
例えば、
自分にはどのような治療が必要なのか
インプラントの本数や手術方法は患者様によって異なります。まずは自分の場合にどのような治療が必要になるのかを確認しましょう。
手術中の痛みにどのように対応するのか
局所麻酔の方法や、恐怖心が強い場合に静脈内鎮静法を利用できるのかなども確認しておきたいポイントです。
手術後はどのくらい腫れる可能性があるのか
骨造成などを同時に行う場合は、通常のインプラント手術とは術後の経過が異なることがあります。自分が受ける予定の手術について説明を受けておきましょう。
治療にはどのくらいの期間がかかるのか
インプラントは手術をしたその日にすべての治療が終了するとは限りません。インプラントと骨が結合する期間なども必要になるため、治療開始から終了までの見通しを確認しておくことが大切です。
費用は総額でいくらになるのか
インプラント本体だけでなく、検査、手術、被せ物、骨造成など、どこまでが提示された費用に含まれているのかも確認しておきましょう。
治療後にどのようなメンテナンスが必要なのか
インプラントは治療が終われば、その後は何もしなくてよいわけではありません。長く使用していくためには、毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスが重要です。
怖いままインプラント治療を決めなくても大丈夫です
インプラントが怖いと感じている状態で、無理に治療を決断する必要はありません。
まず、
何が怖いのか
↓
その不安に対してどのような方法があるのか
↓
自分の場合はどのような治療になるのか
を確認してから判断することが大切です。
診査を受けた結果、インプラント以外の治療方法を選択することもあります。大切なのは「インプラントを受けること」そのものではなく、失った歯をどのような方法で補うことが自分に合っているのかを考えることです。
よくある質問
インプラントと抜歯ではどちらが痛いですか?
どちらも治療内容や処置する範囲、炎症の状態などによって異なるため、単純に比較することはできません。
インプラント手術では一般的に局所麻酔を使用します。手術後には痛みや腫れが生じることがありますが、その程度には個人差があります。
インプラント手術は全身麻酔で行いますか?
一般的なインプラント手術では局所麻酔を使用します。
恐怖心や緊張が強い場合には、局所麻酔とあわせて静脈内鎮静法が検討されることがあります。
インプラントが怖くて直前でやめたくなったらどうすればいいですか?
不安が強い場合は、そのまま我慢せず歯科医師やスタッフへ伝えてください。
何に不安を感じているのかを確認し、説明を受けたうえで治療を検討することが大切です。
インプラントが怖い場合、入れ歯を選んでもいいですか?
もちろん治療方法を比較して検討することが大切です。
歯を失った場合の治療方法には、インプラントだけでなく入れ歯やブリッジなどがあります。それぞれ特徴が異なるため、お口の状態や希望などを踏まえて歯科医師と相談しましょう。
まとめ|インプラントが怖い方は「何が不安なのか」から整理しましょう
インプラントは外科処置を伴うため、治療が怖いと感じること自体は珍しいことではありません。手術が怖い方もいれば、麻酔、術後の痛みや腫れ、失敗、費用などに不安を感じる方もいます。
大切なのは、不安を我慢して治療を受けることではなく、何を怖いと感じているのかを歯科医師に伝え、必要な説明を受けたうえで治療を判断することです。
岡崎歯医者では、インプラント治療前にお口や顎の骨の状態を確認し、治療方法や費用、治療後の経過などをご説明したうえで治療計画を検討しています。
また、手術への恐怖心や歯科治療への緊張が強い方には、状態に応じて静脈内鎮静法を用いた治療も検討できます。
「インプラントに興味はあるけれど、どうしても手術が怖い」という方も、治療を受けると決めてから相談する必要はありません。
まずは現在のお口の状態を確認し、インプラントが適しているのか、どのような治療方法が考えられるのかを知るところから始めてみてはいかがでしょうか。