【岡崎市】麻酔が「怖い」あなたへ送る安心の医学

1. 「麻酔アレルギー」は実はとても珍しい?

「麻酔をしたら心臓がドキドキした」「気分が悪くなって倒れそうになった」 こうした経験から、「自分は麻酔薬のアレルギーだ」と信じ込んでいる方が少なくありません。

しかし、最新の医学的データを見ると、意外な事実が分かります。 『歯科診療における局所麻酔薬アレルギー診断のためのプラクティカルガイド』によると、歯科治療での麻酔注射に伴う異常反応のうち、「本当のアレルギー(真の局所麻酔薬アレルギー)」は、わずか1%以下に過ぎないとされています 。

さらに、即時型(アナフィラキシーなど)と呼ばれる重いアレルギー反応の発生頻度は、リドカインという一般的な麻酔薬の場合、推計で0.00007%(約150万人に1人)という極めて低い確率であることが報告されています 。

つまり、99%以上のケースでは、アレルギー以外の原因で「気分の悪化」が起きているのです。まずは「私はアレルギー体質だから、どの歯医者に行っても危険なんだ」という過度な心配は手放していただいて大丈夫です。

2. 気分が悪くなる「本当の正体」とは

では、なぜ多くの方が麻酔の時に「ドキドキ」したり「クラクラ」したりしてしまうのでしょうか?
ガイドラインでは、その主な原因として「血管迷走神経反射(けっかんめいそうしんけいはんしゃ)」を挙げています 。

少し難しい言葉ですが、これは誰にでも起こりうる体の防御反応の一つです。

  • 極度の緊張や不安
  • 「痛いことをされる!」というストレス
  • 睡眠不足や体調不良

これらが重なると、自律神経のバランスが一時的に乱れ、血圧が下がったり、脳への血流が少なくなったりします。その結果、「顔面蒼白」「冷や汗」「気分の悪さ」といった症状が現れます 。 また、麻酔薬に含まれる「アドレナリン」という成分の作用や、緊張による「過換気(呼吸のしすぎ)」で動悸がすることもあります 。

これらは、体が「怖い!」と感じた時に起こる自然な反応であり、決してあなたの体質が悪いわけでも、心が弱いわけでもありません。 「今日はちょっと寝不足だったからかな」「久しぶりの歯医者で緊張しちゃったな」 そう捉えていただくだけでも、次回の治療はずっと楽になるはずです。

3. 岡崎歯医者が徹底する「安全のための問診」

当院では、こうした偶発的な体調変化を防ぎ、万が一の「隠れたリスク」を見逃さないために、治療前の「問診(カウンセリング)」を何よりも重視しています。

ガイドラインでも、アレルギー診断において最も重要なのは「詳細な問診」であると強調されています 。 初診の際、もし過去に麻酔で気分が悪くなった経験がある方は、ぜひ遠慮なく教えてください。

  • いつ頃の治療でしたか?
  • 注射をしてから「すぐに」気分が悪くなりましたか?それとも時間が経ってからですか?
  • その時、どのような処置を受けましたか?(少し休んだら治った、など)

これらの情報をお聞きするだけで、それが「アレルギー」なのか、それとも「緊張による反射」なのか、私たち専門家はおおよその判断をつけることができます 。 「こんな細かいこと話していいのかな?」と遠慮する必要はありません。その情報こそが、あなたを安全に守る鍵になるのです。

4. 「痛くない」ことが、一番の安全対策

先ほどお話しした「血管迷走神経反射」は、痛みや恐怖心が引き金になります 。 つまり、「痛くない、怖くない治療」を提供することこそが、気分の悪化を防ぐ最大の予防策になります。

岡崎歯医者では、麻酔そのものの痛みを極限まで減らす工夫を行っています。

  1. 表面麻酔の使用 針を刺す前に、歯ぐきに塗り薬の麻酔(表面麻酔)を作用させ、チクリとする感覚を麻痺させます。
  2. 極細の針と、温めた麻酔液 髪の毛ほどの細さの針を使用し、麻酔液を人肌に温めることで、注入時の違和感を減らします。
  3. ゆっくりとした注入 急激に液が入ると圧迫感で痛みを感じるため、電動麻酔器などを使って一定の速度でゆっくりと注入します。

また、診療中はスタッフが常に患者様の顔色や呼吸を確認しています。「あ、ちょっと苦しそうだな」と感じたら、すぐに手を止めてお声がけします。 「痛かったら手を挙げてくださいね」 これは形式的な言葉ではありません。我慢は禁物です。あなたのリラックスが、安全な治療には不可欠なのです。

5. 院長・高田裕史より岡崎の皆様へ

医療において「絶対」はありませんが、「限りなく安全に近づける」ことは私たちの義務です。

今回の記事でご紹介したように、麻酔によるトラブルの多くは、適切な知識と対策があれば防ぐことができます。 当院では、万が一のアレルギーの可能性(ラテックスや果物アレルギーなどとの関連も含め)も考慮し 、常に緊急時に対応できる体制を整えています。

「歯医者は怖い場所」 そんなイメージを、ここ岡崎から変えていきたい。 「ここなら安心して任せられる」 そう思っていただけるよう、私たちは医学的根拠に基づいた安全管理と、心に寄り添う診療を続けてまいります。

もし、麻酔や治療について少しでも不安があれば、来院時に受付やスタッフへメモを渡していただくだけでも構いません。 あなたの「怖い」という気持ちを、私たちに預けてください。 笑顔で治療を終えられるよう、全力でサポートさせていただきます。


監修: 岡崎歯医者 (インプラントクリニック岡崎)院長 高田裕史
記事内の医学的見解は『歯科診療における局所麻酔薬アレルギー診断のためのプラクティカルガイド 2025』等に基づいています)

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